~カシミヤ産業の持続可能な未来に向けて~ 牧場管理・研究施設の完成

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2025/09/17

牧民・政府・研究者と共に産業の基盤をつくり、持続可能なカシミヤ産業を目指す

ホリゾン株式会社(東京都墨田区/代表取締役:冀北平)の現地法人内モンゴルノースピーステキスタイルは烏拉特中旗(ウラドチュウキ)の牧場地にカシミヤ山羊の地域牧場管理拠点となる施設を烏拉特中旗農・畜産業局のサポートのもと完成しました。
健全な環境での飼育でトレーサビリティが明確なカシミヤを具現化し、牧場から産業全てにかかわるステークホルダーが豊かな生活を享受するサプライチェーンを目指します。

研究所

牧場管理施設内にある研究施設には内モンゴル政府の支援のもと各大学から専門的な研究者が結集し、カシミヤヤギの品種飼育と生活環境に適するマニュアルを作りあげます。

研究参加の大学(順不同)
・内モンゴル農業大学・内モンゴル農業科学院・中国農業大学・中国西北農業大学・中国吉林省農業大学

このマニュアルは牧民家族と共有され自然環境や動物、労働者を守った産業持続の基盤となります。
(同施設では、このマニュアルを牧民たちと共有する会が開催されています)

現在の1140牧民家族との取組みは、2030年を目標に地域全体の4000の牧民家族へと広げ持続可能なカシミヤ産業を推進します。

研究牧場は研究の中心となる生態牧場を合わせ、9つあります。
岩山の多い険しい場所、水辺の近くなど、環境を変えて飼育し計測しています。
地域のカシミヤ品種である二狼山(ニロウザン)カシミヤヤギの品種の向上とともに、自然環境、空気・水・土壌・草など飼育に関しての様々な分野で、自然と産業が持続的な共生を目指した研究がされています。

管理施設内で原料取引が可能に

牧場管理施設内には研究所の他に原料取引センター・整毛工場・原料庫が併設されており、その場での買付が可能となっています。

牧場を見て、実際トレーサビリティを体感していただけます。

地域の雇用と経済活性

牧場地域は自然が豊かな場所です。ゆえに都市部から離れている為、他産業が乏しいことが地域の貧困化の要因でもあります。
整毛加工までを、この地域で行うことで新たな雇用を生みだし、原料を売買することで経済の活性を目指します。

■研究に至る背景

気候による影響や、草原の砂漠化などは大自然の中で放牧飼育をする牧民にとっては一番の問題です。
また、ヤギを育てる牧民の生活も、経済や利便さが発達する中で変化し、高齢化・後継者不足の課題も深刻化しています。 近代化が進んだ現在においても、ヤギを育てる環境は古くからのスタイルのままで各牧民家庭にそれぞれに委ねられており情報共有が薄い状態です。
そして中間流通業者による不透明な取引ルートで多重のマージンが派生し値段の高騰や、産出地が不明な偽カシミヤが出回る事件によるマーケットの混乱は牧民の経済を大きく揺るがします。


これらの問題は、牧民だけの問題ではなく産業に係るすべての人にとっての問題だと私たちは捉えています。

このプロジェクトは地域の牧民と協同組合、地域の行政、地域大学の研究者たち、企業である私たち、皆が共に課題を解決しようと活動しています。
自然にも人にも配慮できる環境をつくるには飼育にまつわる事を分析し研究データを地域牧民と共有すること。共に実行できる状態を創り出し、透明性のある生産背景をつないでいくことと考え、約3年の構想を経て2019年に研究牧場(兼、自社牧場)の開牧へと至り今日につながっています。

現在の1140牧民家族との取組みは、2030年を目標に地域全体の4000の牧民家族へと広げ持続可能な産業を推進します。